沖縄・うるま市の「勝連諸島」とは?
沖縄本島の中部東海岸に位置する「うるま市」。「うるま」とは沖縄の方言で「サンゴの島(うる=サンゴ、ま=島)」を意味しており、美しい海や沖縄の古くからの文化・芸能が残る地域です。
このうるま市の与勝半島の東南沖合には、個性豊かな5つの有人島からなる「勝連諸島(離島エリア)」が広がっています。
- 車で行ける4島:海中道路や橋で沖縄本島と陸続きになっている「平安座島(へんざじま)」「浜比嘉島(はまひがじま)」「宮城島(みやぎじま)」「伊計島(いけいじま)」
- 船で渡る1島:平敷屋港から定期船でアクセスする「津堅島(つけんじま)」
日帰り観光にもぴったりな勝連諸島は、ドライブを楽しみながら巡る絶景スポットから、琉球神話が残るパワースポット、透き通る海のビーチまで見どころが満載です。それぞれの島の魅力やアクセス情報を詳しく紹介します。
【車で行ける4島】海中道路を渡る絶景ドライブ&パワースポット巡り
勝連諸島のうち4つの島へは、沖縄本島から車を使ってアクセスすることができます。
海上を走る爽快ドライブコース「海中道路」
与勝半島と平安座島を結ぶ「海中道路」は、全長約5kmの海上道路です。道路の両側にはコバルトブルーの海が広がり、まるで海の上を走っているかのような爽快なドライブを楽しめます。
1972年に完成した海中道路ですが、建設以前は干潮時に浅瀬を歩いて渡る「潮川渡い(スーカーワタイ)」や渡し船が主な交通手段でした。干満による痛ましい事故をなくすため、平安座島の住民たちが自ら石を運び積んで210メートルのコンクリート製道路を作り上げた歴史があります。その後、アメリカのガルフ社の出資等を経て現在の道路が建設され、島々の交通や観光を支える重要な道となりました。
海中道路の中央部には、海の駅「あやはし館」が設置されています。館内の「うるま市立海の文化資料館」では、琉球王国時代から伝わるマーラン船にまつわる資料などが展示されており、海とともに生きてきた先人たちの歴史や知恵に触れることができます。
交易の歴史と石油備蓄基地の島「平安座島」
海中道路を渡って最初にたどり着くのが「平安座島(へんざじま)」です。本島と諸島を結ぶ玄関口であり、琉球王国時代には伝統的な船であるマーラー船による交易の拠点として栄えていました。
島を開拓してきた住民の精神が受け継がれており、現在の主な産業は石油備蓄基地と漁業関連となっています。
琉球創生神話が宿る神の島「浜比嘉島」
平安座島から橋を渡って南へ進むと「浜比嘉島(はまひがじま)」へ到着します。浜集落と比嘉集落の2つの集落からなるこの島は、「創生神話の島」として知られており、琉球を創生したとされる「アマミチュー」と「シルミチュー」が天から降り立って暮らした伝説が伝わっています。
島内には30以上の民俗文化財、13の井泉、19の遺跡が残されており、島全体が「神の島」「パワースポット」として注目を集めています。
- アマミチューの墓・シルミチュー:旧正月にはノロ(神事を司る女性)や旧家の有志、子どもたちによる年頭拝みや踊りの奉納が行われる聖地です。
- 地場産業と特産品:農業と漁業が盛んで、兼久のニンニクや島らっきょうの栽培、モズクの養殖などが知られています。
島最大の面積と絶景スポットを誇る「宮城島」
平安座島から北東へ進む「宮城島(みやぎじま)」は、勝連諸島の島しょ地域の中で最大の面積を持つ島です。島の中央部には「イーバル」と呼ばれる高台が面積の約半分を占めており、広大な耕地が形成されています。
宮城島には桃原・上原・宮城・池味の4つの集落があり、数多くの民俗文化財や井泉、遺跡が点在しています。旧暦8月15日には、集落の女性たちが繁栄を祈願して舞う奉納舞踊「ウシデーク」(市の無形民俗文化財)が行われます。
また、宮城島を訪れたら外せないのが、太平洋を見渡す絶景スポット「果報バンタ」です。輝く海に囲まれた壮大なロケーションを楽しめます。
透明度の高いビーチと史跡がある「伊計島」
宮城島から真っ赤な「伊計大橋」を渡った先にあるのが、勝連諸島の最東端に位置する「伊計島(いけいじま)」です。
島の8割以上が農地として使われており、特産品として「黄金芋」や「小麦」などが栽培されています。
- 伊計ビーチ:沖縄屈指の透明度を誇る美しいビーチで、多くの海水浴客やマリンアクティビティを楽しむ人々で賑わいます。
- 歴史史跡:約2000〜2500年前の縄文時代の竪穴式住居跡が発見された「仲原遺跡(なかばるいせき)」や、グスク時代に築かれた「伊計グスク」などの貴重な遺跡が残されています。
【船で渡る離島】「キャロットアイランド」津堅島を日帰り満喫
勝連半島の南東約5kmの沖合に浮かぶ「津堅島(つけんじま)」は、船でのみアクセス可能な離島です。特産品である「津堅ニンジン」から「キャロットアイランド」の愛称で親しまれており、近年では小麦の栽培にも取り組んでいます。
津堅島へのアクセス(船の時刻・運賃・料金)
津堅島へは、沖縄本島側の「平敷屋港(へしきやこう)」から有限会社神谷観光が運航する定期船に乗船して渡ります。
■ 船の運賃・所要時間
| 船種 | 航行時間 | 大人運賃(中学生以上) | 小人運賃(小学生) |
|---|---|---|---|
| フェリーくがに | 約30分 | 往復 1,240円 / 片道 650円 | 往復 630円 / 片道 330円 |
| 高速船ニューくがに | 約12分 | 往復 1,530円 / 片道 800円 | 往復 790円 / 片道 410円 |
※就学していない小児は大人1名につき1名無料です。15名以上の団体割引や障がい者割引もあります。
■ 車両・二輪車などの航送について(フェリーのみ)
車両をフェリーで運ぶ場合は事前に予約が必要です。乗用車(例:3〜4m未満は往復10,000円 / 片道5,000円)などの運賃が設定されており、自動車1台につき運転手1名の運賃が無料となります。また、自転車(往復400円)、原付自転車(往復860円)、二輪自動車(往復1,280円)の持ち込み運賃も定められています。
津堅島のおすすめビーチ
自然豊かな津堅島には、透明度の高い美しいビーチが広がっています。
- トゥマイ浜:美しい白砂が広がる静かなビーチです。透明度が非常に高く遠浅な地形が特徴で、海水浴やシュノーケリングに最適です。手つかずの自然が残る穴場スポットとなっています。
- ヤジリ浜:島の北側に位置する穴場ビーチです。トゥマイ浜に負けず劣らずの美しさで、集落から離れているため静かに過ごすことができます。砂浜の向かいには、近くに見えて渡れない無人島「アフ岩(アフグァー)」が見えます。
津堅島のおすすめ観光スポット&パワースポット
小さな島内には、景観を楽しめる展望台から歴史的な遺構、パワースポットまで見どころが詰まっています。
- ニンジン展望台:特産品の「にんじん」をモチーフにしたユニークな形の展望台です。展望台からはエメラルドグリーンの海と豊かな畑の景色が一望でき、晴れた日には遠く沖縄本島まで見渡せるフォトジェニックスポットです。
- ホートゥガー(湧き水・パワースポット):昔、島が深刻な水不足に悩まされていた際、鳩を追いかけて見つけたといわれる湧き水です。水場へ降りる階段の途中には、男女が抱き合ったような形の鍾乳石の御神体「マカー」があり、子孫繁栄のご利益があるパワースポットとして祈願に訪れる人が多くいます。
- シヌグガマ(赤犬子生誕地):沖縄で初めて三線を作り、琉球音楽の始祖とされる「赤犬子(あかいんこ)」が誕生した場所と伝えられているガマ(洞窟)です。入口には三線の材料となる「くるち(黒木)」が植えられており、前には綺麗な砂浜と素晴らしい景色が広がります。
- 旧灯台跡:1896年(明治時代)に建設された、沖縄で最初に完成した灯台の跡地です。当時は高さ約12mの鉄造六角形の灯台でしたが、第二次世界大戦で大部分が破壊されました。現在も貴重なレンガ造りの土台部分が残っています。断崖からは絶景の海や沖縄本島、南側には久高島を望むことができます。
- その他の歴史・聖域:トゥマイ浜の中央部には、島の四御嶽の一つであり、島を開拓し住民を指導した「喜舎場子」の墓がある「中之御嶽」が祀られています。また、戦死者等を悼む「慰霊塔」や、その奥には古くから産湯や清めの水として使われてきた神聖な湧き水「アラカー(新川)」があります。
日帰りで満喫する勝連諸島の旅まとめ
沖縄本島から日帰りで気軽にアクセスできる勝連諸島。
車で海中道路を爽快に走り、神話の息づく浜比嘉島や絶景の宮城島・伊計島を巡る「車で行ける4島ドライブ」と、平敷屋港から船で渡り、「キャロットアイランド」津堅島の透明な海や歴史散策を満喫する「津堅島日帰り旅」。
どちらのコースも、沖縄本島滞在中に離島ならではの豊かな自然や歴史文化を体感できる魅力にあふれています。旅行スケジュールに合わせて、勝連諸島の島巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか。